小松未歩

 小松未歩 「未来」 1998・12・18 97点
1.未来    2.anybody’s game      3.チャンス
4.氷の上に立つように     5.手ごたえのない愛     6.あなたのリズム
7.1万メートルの景色         8.涙       9.静けさの後

10.願い事ひとつだけ       11.Deep Emotion
ジャンル区分ポップス ロック
良い点・加点要素個々の楽曲の質が非常に高い
悪い点・減点要素5曲目の編曲はイマイチ
小松作品の中でも最高の売上を誇る2ndアルバム。小松の躍進を決定付けた傑作。それを象徴するように、シングル曲「願い事ひとつだけ」「氷の上に立つように」「チャンス」を始め、とにかくメロディーの切れ味や勢いが凄い。一聴して耳を引く曲を次々と生み出すヒットメイカーとしての才能が如何なく発揮されている。さらに優秀な編曲陣による、ピアノのバッキングやシンセの挿入が、曲に明暗やメリハリを与え、良質のメロディーの曲を大いに守り立てている。ビーイングが得意としてきた気軽に聞ける商業音楽の要素を満たしながら、同時にそれだけにおさまらないのには、彼女の独特の感性から生み出される詞とメロディーに独特の哀愁と美しさとがあるからだろう。また、技巧的には稚拙さがあるものの、繊細でもの悲しさのある歌唱が曲にマッチしているのも、彼女の音楽を面白いものとしている。迫力もなく、壮大さや力強さなどもなく曲が聞きやすいこともあり、その凄さを一見聞き過ごしがちであるが、実はそこにこそ彼女の凄さ・センスのよさが潜んでいると言える。「凡の非凡」、この言葉こそ彼女を称すに最もふさわしい言葉だろう。その実力はなまじの職業作曲家の遠く及ぶところではない。有力番組のタイアップ曲となった3・4・10曲目はそのことを証明する良曲。特にコナンタイアップであり、小松史上を代表する名曲である10曲目は、明るさと狂おしい哀愁が高度に同居した名曲といっても言いすぎではない。もちろん、それ以外のアルバムオリジナル曲もシングルカットにたえるぐらいに質が高く、隙はない。

今作は、「ビーイングのシンガーソングライター小松未歩」が一つの頂点を極めた作品。これ以降彼女は、1曲の完成度よりも作品全体の完成度で聞かせる「トータルアルバム」の方向へ進んでいく。
小松未歩というアーティストを知りたくば、まず今作を聞くべし。(2005/05/06改稿)


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