ガーネットクロウ 「First Soundscope」

GARNET CROW

 GARNET CROW 「First Soundscope〜水のない晴れた海へ」 2001・01・31 100点
1.水のない晴れた海へ  2.君の家に着くまでずっと走ってゆく
3.夏の幻   4.二人のロケット
 5.巡り来る春に
6.HAPPY DAYS?   7.Mysterious Eyes   8.Rhythm
9.Holding you,and swinging
  10.flying   11.千以上の言葉を並べても…
12.wonder land
   13 夏の幻(Secret Arrange Ver)
ジャンル区分ネオアコの要素をとりいれたポップス・ロック
良い点・加点要素作品の統一感と完成度 荘厳さや神秘性 中村の歌唱と独特のメロディー
減点要素・注意点
記念すべきガーネットクロウのメジャーデビュー作品。ガーネットクロウ自身も含め、今後10年を経てもこの作品を超える物を聞くことはないのではとすら思う。中村由利の紡ぎだす個性溢れるメロディーと独特の声質を存分に生かした歌唱はまさに天才的で、最近のヒット曲から殆ど感じることのない美しさ・奥深さ・暖かさ・優しさと寂寥感・哀愁・荘厳さ・高貴さなどに満ち溢れている。それがAzukiの深遠且つ不思議な詞と相乗効果を上げ、聞き手の心の奥底に眠る様々な感情〜特に感傷や懐かしさを刺激し、彼らの作り上げた楽曲世界へと引きずり込む。聞けば聞くほどにはまるガーネットクロウワールドの核をなすものであろう。
各楽曲のアレンジ、演奏など音楽を構成する各要素のレベルも非常に高い。陰陽・緩急・高低・ポップ性と芸術性などのバランスも絶妙。音の万華鏡とも言うべき深遠な雰囲気を醸しだす、音楽史上最強の1曲目であり表題曲でもある「水のない晴れた海へ」を筆頭に、言いようのない悲しみがわいてくる5曲目や畳み掛ける展開が秀逸な8曲目、形容しがたい音楽性とダークな色合いを帯びた9曲目と収録曲の出来は限りなく完璧。とっつきやすいとは言えないが、音楽の持つ普遍的で根源的な魅力に溢れている。
「Azukiと中村両名のビジュアルに惹かれて」という安直な理由で購入した今作。しかしそれは自分にとって忘れかけていた「音楽のすばらしさ」「音楽の醍醐味」を思い出させてくれた宝物のような作品であった。今作に出会っていなければ、一部のアーティストを除き日本の音楽やアーティストに関心を持つことはありえなかっただろう。残りの人生、この作品を越えるものを見つけられるかどうかが自分に課された大きなテーマだと思っている。

現代の音楽は不易流行が激しく様々な物品と同様、次々に生産されては消費されという図式に陥っている。しかし、彼らはその例外に位置する稀有な存在ではないだろうか。大半のヒット曲のように時間の淘汰を受け忘れ去られるのではなく、聞き手の心に確実に蓄積される楽曲を多々作り出せる能力。これこそが彼らの最大の強みであり魅力なのである。
ビーイングやGIZA系列ということで偏見を抱かれがちな彼らであるが、今作は音楽を愛する人や今の日本の女性アーティストに不満を持っている人すべてに聞いていただきたい、そう思える作品。(2005/05/05改稿)


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