ガーネットクロウ 「Crystallize〜君という光」

GARNET CROW

 GARNET CROW 「Crystallize〜君という光」 2003・11・12 98点
1.今日の君と明日を待つ    2.君という光    3.スパイラル
4.泣けない夜も 泣かない朝も    5.クリスタル・ゲージ   6.Marionette Fantasia
7.永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら     8.Endless Desire    9.逃れの町
10.Only Stay
    11.恋することしか出来ないみたいに
12.夢みたあとで−lightin’ grooves True meaning of love mix−
ジャンル区分ポップ ロック プログレッシブメタル
良い点・加点要素今までとは違う硬質・重厚且つ浮遊感溢れる音楽を聞かせてくれたこと
悪い点・減点要素リミックス収録 シングル串刺しの曲順 シングル曲とオリジナル曲との温度差
今までとは違った趣のシングルの存在もあり、発売前から様々な物議をかもした今作。しかし、蓋を開けてみると、彼らに抱いた不審を一瞬で至福の喜びへと転化させた傑作である。
1stのような荘厳さ・寂寥感、2ndのような多様性・聞きやすさらと比べると今作に劣る部分があるのは否定できない。しかし、中村の歌唱をはじめとし、グループとしての演奏技術の冴えとまとまりや、アレンジ、コーラスワーク、プロダクションなどに関しては過去最高のものだと言えよう。また何より、新たなる魅力〜重厚さと力強さ並びにつかみ所なき浮遊感と包み込むような壮大さ〜を卓越した演奏で見せてくれたことにある。かつて自らが築き上げてきた美点をいい形で解体し、かつての要素を継承しつつも新たなる要素を確実に加え再構築していく彼らの音楽センスと、それを為そうとする意気込みには感嘆の他ない。音楽性が変わっても彼らの楽曲の持つすばらしさや格調高さが変わらないのは、このことがあるからであろう。特に今回、硬質で強靭な曲を歌えることを証明した中村の、歌い手としての成長ぶりは特筆に値する。
中村の美しい歌唱が光る壮大なバラードナンバー1曲目、中世的不思議な空間を演出する6曲目、問答無用のかっこよさを堪能できるハードロック曲である8曲目。プログレメタル的強靭さと展開とが秀逸な9曲目、さわやかさと哀愁を織り交ぜた目まぐるしい展開がもの悲しさを誘う10曲目、明るさと少しの悲しみを有するメロディーが不思議な余韻を残す11曲目など聞き応えに富んでいる。恐ろしいまでの完成度である。
但し、今作で露呈ししてしまった問題は、彼らの音楽探究心が商業主義の色合いがあるシングル曲との間に微妙な温度差を生み出してしまったことである。それは2〜5曲目がシングル曲という構成が物語っている。この「シングル串刺し」ともいえる構成は、アルバムオリジナル曲で構成された6曲目以降の圧倒的な素晴らしさという結果を生んだにしろ、全体の流れの違和感をもたらしてしまったのには違いない。そしてもう一つはリミックス曲の収録。何でわざわざリミックスを入れる必要があるのか理解しかねる。彼らが並はずれて優れた音楽製作集団だからこそ考慮せねばならない問題である。恐らく今後の彼らを考えていく上でも大きな要素になるのではないだろうか。
とはいえ、お見事というほかない今作。彼らは今作でアーティストとしてさらなる進化を遂げ、もはや他者が追随できない領域へと侵入した。今後の彼らの目指すものは、洋邦楽の歴史を築いてきた伝説のアーティストたちであると私は思う。(2005/05/05改稿)


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