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・ZARD 「女でいたい」

ZARD1stのオリジナル曲で、個人的に最高傑作の曲だと思っている。初期ZARD(91〜93年*管理人の恣意的分類)の魅力たる、暗さや哀愁が満載の楽曲である。作詞作曲ともに川島だりあであるこの曲は、静動の対比が見事なメロディー構成・坂井の憂いを帯びたボーカル・見事なハードロックサウンドにより、恋に破れ傷ついている女性の心情を、鋭くそして切なく描き出している。

・ZARD 「この愛に泳ぎ疲れても」

第2期ZARD(93〜96年)の屈指の名曲。既に暗さやハードロック色が殆どなくなってきたZARDだが、この曲はかつての雰囲気を十二分にもっている。
反復フレーズながら、アレンジを変えることにより、静動の対比を見事に演出しており、そしてそれが、サビの盛り上げにも効果を挙げている。間奏と後奏のギターソロも秀逸。だが、一番すばらしいのは坂井のボーカルであろう。
やはり彼女には、こういったダークな曲調がよくあっている。
しかし、第3期(96〜現在、私的には「衰退期」ととらえている)の楽曲を聴いていると、何故にこれら曲なのかと首をかしげたくなる。ビーイング系列は、ボーカルの声質を生かした曲作りに長けているのだが、坂井に関しては例外中の例外。彼女の声、曲ともに殺してしまっていると思う。

・Sherry 「風のファンタジア」・「炎と永遠」

名作ロードス島戦記のオープニング及びエンディング曲。その名作に全く引けを取らない名曲であるといえよう。これら曲に出逢うまでにこのような曲を聞くことがなかったので、初めて聞いたときはその幻想的かつ高い芸術性に驚きを隠せなかった。後者が巨匠新居の作曲曲ということを知ったのは、ずっとあとのことであったが、なるほど納得の完成度である。
両曲とも構成はシンプルながら、見事なまでの歌メロと不可思議な音像作りとで、魅惑的な別世界を描き出している。
この曲を表現するSherryのボーカルははっきりいってうまくはないが、何故か妙な味わいがありこの曲の魅力を引き出している。後者の曲に関しては、歌唱力では巨匠の方がはるかに上なのだが、衝撃的なことにSherryバージョンの方がよい。歌は技術だけではないということを思い知らされた限りである。だから音楽は深く、面白いのである。

・島倉千代子 「人生いろいろ」

ここ10数年、人の心を惹くことのできる曲を全く提示することのできない演歌業界の惨状は、見るに耐えないものがあるが、昔はこの曲のようないい曲がちらほらあったと思う。
初めて聞いたときは歌詞の意味など全くわからず、メロディーだけをひたすら楽しんでいたのだが、現在、年をとり、身をもって理解できてしまう自分とその境遇にむなしさがこみ上げてくる。

・ZONE 「僕の手紙」

・竹井詩織里 「蜜月」

1stアルバム「My favorite Things」収録のアルバムオリジナル曲。ミドルテンポのダークバラード曲である。
もの悲しいギターの旋律と、それに続く竹井の、圧倒的な声質の良さと確固たる歌唱技術・表現技術に基づいたすさまじい歌唱の魅力が極上といっていい程のダークさと哀愁とを演出する。「絶頂期のビーイングの王道」をゆく「美メロ、美声、哀愁」の極致。それが竹井の、具体的表現を避けつつ、主人公の心情を「月の満ち欠け」になぞらえて丁寧に描写した繊細且つ純文学的においを発す詞と一体化することにより、「人間の感情」や「幸せの日々」がいずれ過ぎ去ってしまうという無常観を余すことなく表現している。派手さや奇抜さは一切ないが、だからこそ音楽を構成する各要素の質の高さがしっかりと伝わってくる、そんな曲である。
特に賞賛すべきは竹井の歌唱。
いったい何なんだろうか、この人の歌唱は。包み込むように優しく、一方ですぐに折れてしまうのではと思うくらいに繊細で、それでいて一本芯の通った強さやすさまじい伸びやかさもある。だが、この人の歌唱の魅力は、高音でのファルセットや豊かな声量といった卓越した技術を「技術の上手さ」としてではなく、「極上の感情表現」「心地よさ」に転化して聞き手に伝えきれていることにあろう。上手い歌い手によくありがちな「技術自慢」「歌唱の突出」ということがこの人には全くない。あくまで曲世界の表現者としての立場に徹しきれている。だからこそ、聞き手は曲の世界にすっと入り込めるのであろう。テラスにたたずみながら漆黒の空に光る月をしみじみと眺めている情景を思わず想像してしまう・・・。いや、それどころか恍惚としてしまい、無上の幸せを感じてしまうのである。「あいせる?」「ゆめみる?」といった仮名での表記、単純明快な曲名など作詞家としてのセンスの高さも、こう意識させる上で大きな役割を果たしている。

後半Cメロ部分である「自由を追いかけて たどり着いた果ては孤独 それでも ゆめみる?」での歌唱の美しさ、もの悲しさに何度聞いても泣きそうになる。ライブで生で聞いた際にはきっと号泣することだろう。死ぬまでに一度でいいから聞いてみたい。

・竹内まりや 「シングルアゲイン」「告白」

私的につらいことがあったときに、己をさらに追い込むために必須の曲たちである。竹内まりあの曲はまさにもってこいといえよう。正直、歌詞は別にすきでもないし共感もあまりできないが、曲全体からにじみ出る絶望的な雰囲気には心から惹かれてならない。竹内まりあに関しては、この2曲だけで満足。一生聞き続けることができる。

・種ともこ 「Love song」

「ガサラキ」(覚えている人はいるのだろうか)のエンディング曲。日本の能を始めとした、日本の伝統芸能や文化の要素を斬新にも取り入れたこのアニメのエンディングを飾ったこの曲は、出だしから終始「和」の雰囲気に満ち満ちた壮大な楽曲であった。
曲そのものは、同一フレーズの繰り返しが多いシンプルなものだが、日本の伝統楽器を盛り込んだバックの演奏と種ともこの熱唱は壮絶としかいいようがない。自虐的な歌詞も効果的である。
初めてこの曲を聞いたとき、「いざや〜いざゆかん」のところで完全に打ちのめされた。作曲のクレジットを見るとこれまた巨匠新居昭乃。でもこんな日本的な曲も作れるとは、恐れ入った。巨匠の新たな一面を知らされた曲でもある。

・Do As Infinity 「Desire」

DAIの中でも、最もかっこよく、最高の完成度を持っている曲だと思っている。印象的なサビメロ、大渡の巧みなギターリフ、洗練されたサウンド、力強く歌い上げる伴のボーカルすべてがすばらしかった。
これこそDAIの真骨頂とこの曲を聞いたときは思っていたのだが・・・。この曲が収録されている2ndアルバムを聞いてがっくしきた。DAIファンとして聞く最後の曲にこの曲はなってしまった。

・中森明菜 「禁句」

中森明菜の全盛期は非常によい楽曲に恵まれていたといえよう。その中でも私が好きなのはこの曲。この当時及のアイドル歌手と比べ、中森の存在が異質なのには、暗さと不良っぽさを漂う曲を見事に歌いこなせる歌唱力と雰囲気を持っていることがあるからであろう。この曲はそのことをまさに体現する魅力をもっている。そのかっこよさは特筆に価するであろう。後に相川七瀬というアーティストがこの路線を継承するのだが。
最近は、この手のアーティストがいないのが残念であはあるが。

・中島みゆき 「地上の星」

NHK「プロジェクトX」のテーマ曲。説明の必要がないほど、世に定着している名曲といっても問題ないだろう。
曲を聞くたびに、この曲の持つ悲壮さ・無常さが中島みゆきにしかなせないであろう力強いボーカルによって見事に表現され、まだ人々が夢や希望をもって生きていた時代の日本の強さ、そしてその時と全く逆の今の日本や日本人の脆弱さというものを「プロジェクトX」の効果的な映像とリンクし強烈に意識させられる。
私は中島みゆきのファンではないが、この曲を始めとして「浅い眠り」「時代」などの名曲には有無を言わせない強靭さがあると思う。だから何十年にも渡る長き活動を可能としたのだろう。

・Feel so Bad 「Ready or not」

約10年前、日本初のサッカー専門番組(恐らく)にタイアップされた楽曲の一つ。ブラウン管を通して初めてこの曲を聞いたとき、瞬時に川島だりあの新曲だと理解したのと同時にそのあまりのすごさにぶったまげた。また、それは、日本の女性音楽史及びハードロック・ヘビーメタルの歴史が変わった瞬間でもあった。
彼女の圧倒的力量は、ソロアルバムや他のアーティストへの提供曲によって既に承知していたが、この曲はそんな私の彼女への評価を木っ端微塵に打ち砕いた。楽曲のもつ強烈な破壊力、ギターの倉田冬樹をはじめ海外バンドもかくやというほどの演奏隊の技量。この猛者たちを女帝のごとく統率しつつ、たたきつけるような強烈無比なボーカルを聞かせる川島だりあ。そのすべてが今までのアーティストとは根本的に違う規格外のすごさを見せ付けた。
さらに彼らのすごいところは、単に激しさや荒々しさを全面に出すだけでなく、作詞や楽曲の構成に知的さや哲学的問い、高い娯楽性をも内包していたことだ。この曲も子供の教育問題や社会病理を鋭く抉り出しており、心に突き刺さるメッセージ性を秘めている。ベストオブデビューソングの一つ。

・Fayray 「faith」

アルバム「genuine」収録曲。Fayray姐さんというと、ピアノを主軸としたバラード曲というイメージが強いが、アルバムでは、そういった側面に左右されない実験的な曲も多々見せている。この曲はまさにそうであるといえるだろう。
シンセサウンドとピアノがかなでる深遠で美しい前奏に心惹かれるや否や、姐さんの大人の色気とおちついた魅力とを存分に感じさせるすばらしい歌唱が展開される。サビにおけるもの悲しくも力強い歌唱と効果的に刻まれるリズム楽器との相乗効果が、プログレシッブロックにも通ずる曲のスケール感と前衛的な雰囲気を創出しているといえるだろう。緩急強弱が完璧なドラマティックな展開も秀逸でこの上なくかっこよい。もちろん姐さんの歌唱も文句なしにすばらしい。曲の魅力を最大限に引き出す歌唱というものを憎たらしいほどに心得ている。
それにしても中間のインスト部分の演奏は凄すぎる。効果的なシンセや効果音の使用は圧巻。まさにプログレ。同じピアノ系の鬼束や柴田にはない、姐さんならではの音楽的懐の広さがなせる技であろう。このサイトを見てくださっている方からこの曲が収録されているアルバムの存在を教えていただいたのだが、初めてこの作品を聞いたとき、特にこの曲を聞いたとき、私の頭は完全にぶっ飛んでしまった。「とんでもないな、この人は」と。それ以降姐さんの忠実な信奉者となっている。

・松澤由美 「Dearest」

この曲のタイトルをきくと、恐らく浜崎の同名曲を連想する人が殆どであろう。確かに浜崎のも名曲といえるが、しかし、個人的には劇場版ナデシコのエンディングで使用された当曲の方がずっと名曲であると確信している。
映画の内容に見事に合致したもの悲しい旋律、松澤の憂いを帯びた歌唱、深遠なサウンド、それらすべてが見事で名作であるこの映画の感動をさらに高める上での絶大な役割を果たしたと思う。映画館でスタッフロールを見つつ、この曲を初めて聞いたとき、ぐっとくるものがあった。1998年の最優秀楽曲である。

・松任谷由美 「あの日に帰りたい」

竹内まりあや小松未歩らの曲と並び、この曲も落ち込んだ自分をさらに追い詰めるときに欠かせないものである。竹内まりあと違い、この曲の歌詞は何故だかわからないが惹かれるものがある。「青春のうしろすがたを〜」や最後のところは聞いていて、号泣というわけではないけど、ほろりとくる。シンプルきわまりない曲であるが、真に才能のあるとそうでない人との差には、シンプルな曲でいかに魅力を出せるかがあろう。日本の女性音楽シーンを担ってきた重鎮の力量が如何なく表れていると感じる。

・美空ひばり 「川の流れのように」

晩年の美空ひばりの曲で、20世紀の日本を代表する名曲である。
すばらしいとしか形容することのできない歌唱力、特に圧倒的な情感をこめてじっくりと歌い上げるそれは、驚嘆に値する。最近のうわべだけの歌唱にとらわれがちな多くのアーティストやそれらを育てた関係者にぜひとも聞いてもらいたい一曲である。ボーカルの何たるかの答えがこの曲にあるのではないか。

・森口博子 「水の星に愛を込めて」

「ガンダムの女性ボーカル曲にはずれなし」というのが私の持論だが、そんなガンダムシリーズタイアップ曲の中でも最も好きなのがこの曲である。作曲はあのニールセダカ(知っている人少ないだろうな)。その豪華さにふさわしく、イントロからサビにいたるメロディすべてにおいて完成度が高く、流麗である。それを歌い上げる森口の哀愁漂うボーカルも非常にすばらしい。Zガンダムの後半に差し掛かるところでのタイアップとなったが、ますます暗くなっていくこの作品によく合っていた。
このような曲を歌っていたとは、森口のバラドルとしての活躍しか知らない人にとっては驚きだろう。しかし、彼女がバラドルとしての活動ができたのも、この曲の存在があったからといえる。
森口は後に、「ガンダムF91」のエンディングと挿入歌も歌っているが、これら曲もこのページにのせてもいいほどの名曲であると思う。

・山口百恵 「いい日旅立ち」

山口百恵に関しては「プレイバックpart2」をはじめ、名曲が数多くあるが、個人的に一番好きなのはこの曲。曲全体から放たれる暗さが最高。「ああ日本のどこかに私をまってる人がいる」のところはもう背筋ゾクゾクものである。

・山根麻衣 「The real for the Blues」

「カウボーイビバップ」のエンディングテーマ曲。初めてこの曲を聞いたとき、そのタイトルが示すような地をいった泥臭さから、まさか菅野巨匠の曲だとは夢にも思わなかった。しかし、繰り返しよく聞いてみると、メロディー構成や細部にわたるサウンド構成などで、さすが巨匠、と納得させられる要素が多々ある。
山根麻衣のボーカルも圧巻で楽曲のよさをより高みへと導いている。「ビバップ」との相性もすばらしい。
菅野の新たなる魅力を感じさせられた一曲である。

・レベッカ 「フレンズ」

1980年代の名曲中の名曲。レベッカの中で個人的に最高の曲と考えている。まさに思春期の一ページ的な悲しみを描いた歌詞と抜群のメロディー、そしてNOKKOの圧倒的表現力が、誰しもが恐らく経験したであろう青春の思い出の世界へと聞き手を誘う。すばらしい。

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